楽しい読書


最近、お店の暇な時間に読んでいる本。
料理家、高山なおみさんの、「帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。」
よしもとばなななんくるない
高山さんのほうはエッセイで、よしもとさんのほうは沖縄を舞台にした、短編小説集。
「考えたり思ったり、悩んだりすることばかりがほんとうの自分なのだと思っていた。私の体は、そういう大事なものが入るための、ただの容れ物だと思っていた。」
これは、高山さんの本に出てくる一節。
10代、20代の初めのころは、私もまさにそんな風に思ってました。

でも、最近は、飲食業に携わるようになったせいもあるのか、もっとシンプルに、体の感じる「快・不快」、「好き・きらい」といったインスピレーションみたいなものに重きをおいてもいいんだなあと思うようになりました。
あと、「なんくるない」の中の、「ちんぬくじゅうしい」という話に出てくるおばさんの台詞で、「くだらなければくだらないほどすばらしいのよ。あとになってみるとね。どうでもいいことやくだらないことがいちばんつよくてあったかくて、深刻なこととか理屈なんて大切なように思えても、そういうちっちゃい思い出に比べたら、全然へなちょこなのよ。」というのがあります。
どちらの本も、二十歳前後の、ロマンチックなことやスペシャルな出来事を「ステキ!!」とはしゃいでた頃に読んでいたらあまりしっくりこなかったかも。
20代も後半戦が始まり、日々のささやかな積み重ねこそが大事という考えがしっくりくるようになってきました。
理想や夢も掲げながら、地に足のしっかり着いた、そんな人になりたいなあと、この2冊を読んでいて思いました。